【海外】《欧州ニュース》欧州司法裁判所、他のサイト画像をそのまま表示しても著作権侵害に該当しない

 4月6日、Playboyの画像イメージをオランダのGS Mediaが自社のウエブサイトで表示(URLをそのまま使用)したのは、著作権侵害だとして、PlayboyがGS Mediaを訴えていた裁判に関して、欧州司法裁判所のMelchior Wathelet法務官は、同行為は著作権侵害に該当しないとする司法意見を表明しました。

 この裁判は、2011年にPlayboyがストレージサービスに公開していた記事を、GS MediaがニュースブログGeenStijlで、ハイパーリンクを使用して公開した行為が著作権侵害に該当するとして、PlayboyがGS Mediaを訴えたものです。その後、この審理を行うオランダの裁判所が、ハイパーリンクを張る行為は公衆送信に該当するかどうかの判断を欧州司法裁判所に求め、今回の司法意見の表明へと繋がりました。

 EU司法裁判所は従来、「著作権者が無償での一般公開を認めたコンテンツへのハイパーリンクや埋め込みについては著作権侵害にあたらない」としていましたが、著作権者が公開を認めていないコンテンツへのリンクに関する判断は示していませんでした。

 今回の司法意見では、ストレージサービス上であったとしても「誰もがアクセス可能な場所で公開されているコンテンツへのハイパーリンクは公衆送信に該当せず、ハイパーリンクを張った人物がリンク先のコンテンツが著作権者の許諾を得ずに公開されたことを知っているかどうかは重要ではない」とされています。

 なお、裁判所が判決を下す際は司法意見に拘束されませんが、多くの場合は司法意見に基づいた判決が出されます。