【国内】特許庁、商標早期審査・早期審理ガイドラインを改訂

 2月6日、特許庁は、「商標早期審査・早期審理ガイドライン」を改訂し、早期審査及び早期審理の対象範囲を拡大したと発表しました。
 商標登録出願の早期審査及び早期審理は、模倣・侵害事件が生じている出願について早期に結論を出すユーザーニーズや経済活動のグローバル化を踏まえ、1997年9月に導入され、対象となるための要件を満たした出願については、通常の出願に優先して速やかに審査・審理を開始し、その後も遅滞なく審査・審理の手続を進めるものです。
 今回の改訂では、多様化するユーザーニーズに応えるべく、早期審査及び早期審理の対象範囲を拡大しました。

 具体的には、早期審査の対象となる出願は以下(1)から(3)のいずれかに該当するもので、今回の改訂では下記(3)の場合が追加されました。

  1. 出願人又はライセンシーが、出願商標を指定商品・指定役務に使用している又は使用の準備を相当程度進めていて、かつ、権利化について緊急性を要する出願
    ※「権利化について緊急性を要する出願」とは、次のいずれかに該当するもの
    1. 第三者が許諾なく、出願商標又は出願商標に類似する商標を出願人若しくはライセンシーの使用若しくは使用の準備に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用している又は使用の準備を相当程度進めていることが明らかな場合
    2. 出願商標の使用について、第三者から警告を受けている場合
    3. 出願商標について、第三者から使用許諾を求められている場合
    4. 出願商標について、出願人が日本国特許庁以外の特許庁又は政府間機関へも出願している場合
    5. 出願商標について、出願人がマドリッド協定議定書に基づく国際登録出願の基礎出願として国際登録の出願を行う場合
  2. 出願人又はライセンシーが、出願商標を既に使用している商品・役務又は使用の準備を相当程度進めている商品・役務のみを指定している出願
  3. 出願人又はライセンシーが、出願商標を指定商品・指定役務に既に使用している又は使用の準備を相当程度進めていて、かつ、商標法施行規則別表や類似商品・役務審査基準等に掲載されている商品・役務のみを指定している出願
  4. 但し、新しいタイプの商標(動き商標、ホログラム商標、色彩のみからなる商標、音商標及び位置商標)については、その審査の特殊性から審査の質を確保するため、当面、早期審査の対象外です。

 また、早期審理の対象となる出願は以下(1)から(3)のいずれかに該当する商標登録出願に係る拒絶査定不服審判事件で、今回の改訂では下記(3)の場合が追加されました。

  1. 審判請求人又はライセンシーが、出願商標を指定商品・指定役務に既に使用している又は使用の準備を相当程度進めていて、かつ、権利化について緊急性を要する審判事件
    ※「権利化について緊急性を要する出願」とは、次のいずれかに該当するもの
    1. 第三者が許諾なく、出願商標又は出願商標に類似する商標を出願人若しくはライセンシーの使用若しくは使用の準備に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用している又は使用の準備を相当程度進めていることが明らかな場合
    2. 出願商標の使用について、第三者から警告を受けている場合
    3. 出願商標について、第三者から使用許諾を求められている場合
    4. 出願商標について、出願人が日本国特許庁以外の特許庁又は政府間機関へも出願している場合
    5. 出願商標について、出願人がマドリッド協定議定書に基づく国際登録出願の基礎出願として国際登録の出願を行う場合
  2. 審判請求人又はライセンシーが、出願商標を既に使用している商品・役務又は使用の準備を相当程度進めている商品・役務のみを指定している審判事件
  3. 審判請求人又はライセンシーが、出願商標を指定商品・指定役務に既に使用している又は使用の準備を相当程度進めていて、かつ、商標法施行規則別表や類似商品・役務審査基準等に掲載されている商品・役務のみを指定している審判事件

但し、新しいタイプの商標(動き商標、ホログラム商標、色彩のみからなる商標、音商標及び位置商標)については、その審査の特殊性から審査の質を確保するため、当面、早期審査の対象外です。

なお、対象となる案件の早期審査・審理の申請受付は、2月6日より開始されています。