【国内】特許庁、ASEANの法執行体制整備を支援

5月15日、特許庁は、「第7回 日東南アジア諸国連合(日ASEAN)特許庁長官会合」において、法執行機関の連携強化を含む新たな行動計画をASEAN諸国と合意しました。
 特許庁は、ASEAN主要6ヶ国における日本企業の特許出願件数は25~40%程度に及び日本からASEAN諸国への輸出額は米国、中国に次ぐ3位で、ASEAN諸国への進出企業も急増していることから、各特許庁と連携し「ビジネス環境の抜本強化」を目指すとコメントしています。
 特許庁は、簡易な手続きで審査を受けられる「特許審査ハイウェイ(PPH)」をフィリピン、マレーシア、タイ、シンガポール、インドネシア及びベトナムの主要6ヶ国と締結しています。
 そしてPPH制度を円滑に進められるように、1996年以降、累計約3500人の研修生を受け入れつつ、同約450人の知財専門家を各国に派遣し審査実務や情報化などを伝授する活動を行ってきました。そして今般、審査の迅速化や質の向上、知財の普及啓発で一定の成果を収めたと判断し、次の段階として法執行強化を行うことについて合意しました。
 この合意により、特許庁は、今後、模倣品の取締り、訴訟対応、税関での取締り、企業が起こす異議申立、権利侵害訴訟における裁判などが円滑に実施されるように、権利行使に関わる法執行強化をASEAN各特許庁が円滑に行えるように支援していきます。その一環として、特許庁は、税関や警察の職員、裁判官などを日本に年間で計20~30人程度招き、知財紛争に関する模擬裁判やセミナーを行い、各国の実務レベルを高めるとしています。
 なお、今回の会合に合わせて実施したベトナム、インドネシアとの2国間会談では、PPHの運用支援強化を確認し、タイとは新人審査官の研修継続などで意見交換しています。