【国内】日米欧中韓の五大特許庁、行動指針を10年ぶりに見直し

 6月1日、日本、米国、欧州、中国、韓国の五大特許庁は、マルタ共和国で開催した第10回五大特許庁長官会合で、中長期の行動指針を10年ぶりに見直しました。

 五大特許庁は従来、業務効率化を連携の軸としていましたが、今後は高品質な審査への関与等、協力の枠組みを広げることとし、「制度調和」、「より強化されたワークシェアリング」、「質の高いタイムリーな審査」、「特許情報へのシームレスなアクセスを提供」の新たな五庁ビジョンを策定し、共同声明に合意しました。

 また、国際特許出願調査(PCT協働調査)についても、2018年5月からの施行を目指すことで合意しました。

 このPCT協働調査は、一つのPCT出願について、主担当の特許庁が副担当の特許庁と協働して特許可能性を判断するもので、これにより出願人はこれまで以上の信頼性が高い調査報告を得ることができます。

 なお、5月31日には五大特許庁長官会合に併せて五庁長官・ユーザー会合も開催されています。この五庁長官・ユーザー会合では、五大特許庁の最新の施策取組状況をユーザーへ紹介すると共に、第四次産業革命に向けた各庁の対応等についてユーザーと意見交換を行いました。

 また、日本国特許庁は、これらの会合に併せて欧州特許庁、韓国知的財産保護協議会、米国知的財産権者協会との個別の意見交換を行いました。
 さらに、日本国特許庁は、五大特許庁長官会合前にアラブ首長国連邦を訪問し、ドバイ税関と意見交換を行うと共に中東知的財産研究会を開催しました。