【海外】BASF及び本田技術研究所、二輪車用排ガス浄化触媒でエジソン特許賞を受賞

11月12日、今年で創立150年を迎えたドイツの化学大手BASF及び本田技術研究所の共同開発チームは、二輪車排ガス規制に適合する世界初のベースメタル触媒の開発について、「2015年トーマス・アルバ・エジソン特許賞(Thomas Alva Edison Patent Award)」を受賞したと発表しました。
 トーマス・アルバ・エジソン特許賞は、発明家エジソンにちなんだ賞で、エジソンが研究活動の拠点とした米国ニュージャージー州で出願された特許の中で優れた化学発明に対して授与されます。
 今回受賞したベースメタル触媒は、二輪車の排気ガス浄化のために金属製担体上に化学物質がコーティングされている触媒で、有害な汚染物質を除去するためにエンジン排気系に配置されます。また、このベースメタル触媒は、世界最大級の二輪車市場であるインドの二輪車排ガス規制に適合する世界初のベースメタル触媒として注目を浴びています。
 現在、二輪車メーカーは、各種排ガス規制に対応するために二輪用排ガス浄化触媒の有効成分として貴金属であるプラチナやパラジウムといった白金族金属(プラチナグループメタル、PGM)を使用しています。しかし、これに代えて触媒の原料にベースメタルを利用することによって、供給の安定性を上げ、価格面での優位性も確保することができます。
 BASF及び本田技術研究所が開発したベースメタル触媒がトーマス・アルバ・エジソン特許賞を受賞したのは、環境対策への貢献が認められたことを理由とします。
 授賞式は、ニュージャージー州ジャージーシティのリバティサイエンスセンター(Liberty Science Center)で11月12日に開催され、共同開発チームのメンバーであるBASFのPascaline Tran氏、Xinsheng Liu氏、Ye Liu氏、Mike P. Galligan氏、Qinglin Zhang氏、及び本田技術研究所の堀村弘幸氏と岩佐晃子氏の7名は、ニュージャージー研究開発評議会(Research and Development Council of New Jersey)から同賞を受賞しました。
 BASF及び本田技術研究所は、厳格化が進んでいる二輪車の排ガス規制に対する研究プロジェクトについて、今後も連携して取組んでいくとコメントしています。
 なお、ベースメタルを利用した触媒技術のメリットに関する研究論文は、2016年頃に共同発表される予定です。