【国内】登録から外れた八丁味噌メーカー、不服申立

 3月14日、愛知県特産の八丁味噌を造る岡崎市の老舗2社は、GI(地理的表示)保護制度に愛知県内の味噌業者でなる「愛知県味噌溜醤油工業協同組合」の製品を八丁味噌として登録するとした国の認定に対する不服申立を行いました。
 不服を申し立てたのは愛知県岡崎市の「まるや八丁味噌」及びカクキューブランドを展開している「八丁味噌」の2社です。

 昨年12月、国は、GI保護制度に「愛知県味噌溜醤油工業協同組合」の製品(生産地が愛知県であり、味噌玉は直径20ミリ以上、一夏以上の熟成期間を要する。但し、仕込み桶はタンクでも問題なく、重しの形状は問わない。)を八丁味噌として認定しました。

 一方、不服を申し立てた2社は、八丁味噌は、愛知県岡崎市八帖町で生産され、味噌玉は握り拳ほどの大きさで、天然醸造で2年以上の熟成期間を要し、仕込み桶として木桶を用い、重しは天然石を円錐状に約3トン積上した江戸時代からの伝統製法によるものでなければならないと主張しています。

 そのため2社は、「味噌溜醤油工業協同組合の製品は、歴史、製造方法、品質において我々と大きな違いがある。」として八丁味噌の登録内容の見直しを要求することとなりました。

 農林水産省は、「昭和初期には県内に生産が広がっており、申立てを行った2社の製法も機械化されるなど、江戸時代から全く変わらないわけではない。」などとし、2社に対し、味噌溜醤油工業協同組合の基準を受け入れ、GIの使用団体として登録するよう求めています。

 なお、愛知県味噌溜醤油工業協同組理事長は、2社の申立てについて「お客様を混乱させるものであり、極めて不当と考えている。長年お客様に受け入れられてきた八丁味噌を守りたい。」とコメントしています。